ごぼう天が抜群に美味かった店といえば、東広島市黒瀬町の黒瀬中学校前にあったご夫婦で営む「さこだ家」さんです。
開店時間は決まっているけど、「売るもんがなくなったら閉店」というお店でした。夕方には人も通らなくなるような場所だからって。
うどんは,細麺と太麺があります。どうしてって、元々は呉で営業されていたから、呉の細うどんも扱うわけです。
呉のお客さんにずいぶんかわいがってもらったことや、映画の撮影スタッフがごぼう天うどんを大変気に入って、後日わざわざ広島に仕事を作ってまで「あの味が忘れられない」と新幹線でやって来た話など聞かせてもらいました。
でも、細麺、太麺おすすめは無くて、女将さんは「こればっかりは好き好きよね。」ってお客さんに言ってました。
「ごぼう天はね、時間をかけて揚げんとおいしゅうないんよ。」
「サツマイモが揚がったら、油から浮くんじゃけど、ごぼうはもっと早く浮くんよ。じゃが、やっさに揚げてしもうたら、おいしゅうないんよ。」
このごぼう天、食べても歯に繊維が全く挟まりません。
ごぼう天のポイントは、切り方と揚げ方、特に切り方に相当なノウハウがあるようでした。
揚げ方はじっくりじっくり2度揚げするそうです。タイマーなんて使いません。
「ごぼう天を持ち帰りにする人もおるんよ。」
お持ち帰りは、1人前、驚きの110円。
3人前までが鍋の大きさから一度に揚げられる限界だって。
あれだけ時間をかけてじっくり揚げて,もうけがあるのか心配になります。
「さこだ家」さんに、イオリちゃんと訪問した時に、「ごぼう天うどん定食」890円(税込)をいただきました。
ボクら「ごぼう天うどん定食をふたつ」注文すると、「定食は女性には多いから、ひとつは単品にしんちゃい」とのアドバイス。
定食には、炊き込みご飯に小鉢におかず、香の物がつきます。
炊き込みご飯やおかずはシェアしながらいただいて、確かに二人前の定食だと多かった。
「あ、お客さんのこと考えてくれるんだ」と思いました。
作り方をイオリちゃんが教えてもらったのだけど、再現は難しくて、
今では閉店してしまって、もう聞くことができません。
忘れられない味で、今でもこれ以上の味は無いように思います。
【訪問日】
2016年10月1日
2017年9月9日