とびしま海道は、御手洗街並み保存地区のある大崎下島から架かる橋を渡った先、愛媛県岡村島が最終地点です。
岡村島につながる「岡村大橋」を渡ると「縁結び 人待瀬戸」というあずま屋があり、その横に良縁を願う木札たくさん結び付けられていました。
愛媛県のゆるきゃら「みきゃん」と悪いみきゃんの看板もあったり、
岡村大橋の真ん中に県境があります。
岡村島には、ファミレスもコンビニもありません。岡村大橋を渡って、海岸線沿いの道を走り続けると、関前郵便局や、岡村へき地出張診療所、岡村港などの中心部があり、カフェや商店がいくつかあるだけです。この中心部を過ぎると、あとは右手に海、左手にミカン畑が続くだけです。
その中心部にある「まるせきカフェ」は、2018年3月から営業形態を変更したようですが、その理由がまさに地方集落を活性化する難しさを表しています。
以下、まるせきカフェのWebページ(http://marusekicafe.com)から引用します。
『…橋で広島県側と接続されていても、県境をまたぐこの地域には、観光の集客に与するインフラ(バスなどの公共交通機関・観光バスが停まれる大きな駐車場・大人数を迎え入れる宿泊施設など)が全く整っていません。
更に観光面でも隣接する広島県本州側に愛媛県に接続されているという交通アクセスの表示もなければ、取り上げてくれるメディアも少ない上に、地域の人口は6年間で20%以上にあたる約100名も減少しています。
このような状態では大幅な集客増を望むことは不可能で、下手をすれば全員が共倒れとなる可能性が高いと感じています。』(引用、ここまで)
橋の先はポツンと一島、愛媛県だというのはおもしろいというか、魅力的だな、行ってみたいなと感じると思うのですが、確かに大崎下島側にはそれをPRする看板はありません。
また、とびしま海道を走行するには、最初に「安芸灘大橋」を渡る必要があります。この料金は片道で、普通車 720円、軽自動車等 560円です。これを助成するために「安芸灘大橋有料道路回数通行券助成事業」があり、要件を満たせば、帰路分の回数券がもらえます。
しかし、これは呉市の助成事業のため、岡村島は愛媛県なので助成対象の施設はありません。
せっかく「とびしま海道」という括りで観光資源になっているにも関わらず、行政区が障害となっているわけですね。
6年間で20%以上の住民が減少するというのは、かなり大きな変化です。島内の小学校も休校しています。
例えば、さらにその先の広島県の大崎上島や愛媛県の大三島に橋が掛かると人の流れも変わるのかも知れません。島民の方がそれを望んでいるかは分かりませんが。
さて、岡村島で、ナガタニ展望台に上がってきました。
曲がりくねった急勾配の坂道を登っていくと、コンクリート造の立派な展望台があります。車で上がりましたが、エンジン大丈夫だろうかと心配でした。展望台にはトイレも整備されていました。
展望台からの眺めは最高です。
遠くには来島海峡大橋も見えて、瀬戸内海の美しい景色を眺められます。月夜に眺めるのも魅力的かもしれません。
とびしま海道を渡ったら、ぜひ、岡村島まで足を伸ばしてみてください。
【訪問日】
2020年1月18日
【岡村島 ナガタニ展望台】